施工事例

川越市|敷地の条件を先に整え、浮かせた階段で水平ラインを通した新築外構

川越市|敷地の条件を先に整え、浮かせた階段で水平ラインを通した新築外構

隣地の塀と申請の段取りを、建物の工事より先に片づけた川越市の新築外構です

埼玉県川越市。道路から玄関まで、階段5段ぶんの高低差がある敷地でした。建物はハウスメーカーの施工で、外構は引き渡し後の別工事。ご相談をいただいたのは、まだ更地の段階です。

最初に決めたのは、デザインではなく『順番』でした。隣地境界の既存ブロック塀には控え壁が要る。しかもそれは、解体と基礎工事のあいだにしか入れられません。本体工事より半年早く、その一手だけを切り出しました。

ご相談の背景

敷地の中にも外にも、先に答えを出しておくべき条件が重なっていました。

隣地境界の既存ブロック塀は、解体で裏側が露わになります。補強の控え壁が必要で、当初の想定は3箇所。お客様に現地の写真を送っていただき、ピッチを数え直して4箇所に改めました。

申請にも時間がかかります。カーポートを建てるには建築確認申請が要り、川越市では景観の届出も必要でした。行政の混み具合に左右されるため、依頼先は着工の数ヶ月前に決めておかないと間に合いません。

配管も重なっていました。雨水と給水の引込みが庭を横断し、そのままでは大きな木を植えられない。デッキを検討していた位置の真下には雨水枡があり、蓋が浮くと手が届かなくなる。いずれも建物側で経路を寄せていただき、解消しました。

ご要望

ご要望は、大きく3つに整理できました。

ひとつ目は、建物と同じ色数でまとめること。グレーの外壁と黒のサッシ。正面に窓を持たないファサードなので、外構の側で表情をつくりたい。生活感の出るものは、正面から見えない位置に。

ふたつ目は、道路から駐輪スペースが見えないこと。自転車は、子ども乗せの電動アシストを含めて3台。停められることと、見えないことの両方が条件です。

三つ目は、リビングから大きな木が一本見えること。打ち合わせのたびに繰り返しお話しいただいたご要望で、最後まで動きませんでした。

ご提案のポイント

埼玉県川越市の施工事例|サイクルポート側から見た全景。手すりとイロハモミジ

先行工事は、控え壁だけを単独で組みました。C150のブロックを9段、800mm間隔で4箇所。掘削から残土処分まで含む工事を本体と切り分け、2日で終える段取りにしています。

門まわりは、当初は塗り壁の門袖を立てる計画でした。ただ壁には厚みがあり、インターホンの出っ張りぶんセットバックも要ります。その厚みが、そのまま駐輪スペースを削る。化粧ブロックとアルミの目隠しフェンスに置き換え、8〜13cmぶんの『幅』を取り戻しました。

幅の取り合いは、ほかにもありました。建物基礎の根入れ角度の関係で土留めを寄せられず、駐輪場の裏は1,650mmが上限。北側には公共桝があり、そちらへも広げられません。決まった幅の中で、自転車が斜めに3台納まる置き方を探しています。

階段は、段を素直に積むと正面が壁のように立ち上がります。踏面を大きく取り、下端を浮かせる。脇のブロックをなくして階段の幅を各10cm詰めたことで、通路も30cm広がりました。

将来のことも決めました。道路の本管が更新される日が来たら、引込み管の費用はお施主様のご負担になる可能性がある。その範囲はコンクリートで固めず、土留めと砂利で仕上げています。

完成した外構の見どころ

埼玉県川越市の施工事例|夜の正面。浮かせた階段の蹴込みに通したラインライト

主役は、浮かせた階段です。大判の平板を組み合わせて踏面を広く取り、蹴込みの下にラインの照明を一本だけ通しました。夜は段鼻が浮かび上がり、建物の屋根が持つ水平ラインと、光の線が二本並びます。

床は東洋工業の平板をグレーで揃え、目地を広めに割り付けました。駐車場の目地はゴムではなく砂利。熱で打ち上がると直せないためです。

植栽は本数を増やさず、大きさを振りました。門柱脇にアオダモを3m、駐輪場脇にイロハモミジを2.5m、裏庭に常緑のソヨゴ。足元は割栗石で納め、手のかかる下草は入れていません。

暮らしの変化

埼玉県川越市の施工事例|裏庭の目隠しフェンスと株立ちの常緑樹

道路側からは、駐輪スペースが見えません。化粧ブロックと目隠しフェンスが正面の線をつくり、自転車は3台ともその奥に納まっています。

リビングの掃き出し窓を開けると、いちばん大きな木が正面に立っています。裏庭のソヨゴは、当初2.5mで計画していたものを2.0mに下げました。ビニールプールを置く場所を優先した結果です。目隠しの高さより、お子さまの遊び場が先にありました。

夜は、門柱脇のアオダモを足元から照らし、階段のラインが灯ります。帰宅の数歩を、灯りが順に迎えてくれます。

川越市で、敷地や申請の条件から外構をご検討中の方へ

川越市のような市街地では、隣地の塀、道路との高低差、引込み配管の位置、申請にかかる時間が、そのまま外構の自由度を決めます。とくに解体をともなう建て替えでは、入れられる時期が一度しかない工事があります。ご相談は建物の着工前が理想です。川越市の外構工事ページでは、地域で多いご相談や他の事例もご覧いただけます。仕上げの幅は施工事例一覧もご参考に。

施工概要

施工エリア 埼玉県川越市
施工内容 駐車場・駐輪場工事:カーポート(LIXIL ネスカF)、サイクルポート(LIXIL ネスカFミニ)、土間コンクリート刷毛引き、砂利目地
門まわり・アプローチ工事:機能門柱(LIXIL FT型)、宅配ボックス(ユニソン コルディア)、フローティング階段(東洋工業 ペイブ)、玄関ポーチタイル、歩行者用手すり
境界・庭工事:化粧ブロック(東洋工業 コード120型)、フェンス(LIXIL フェンスAL/フェンスAB YS3型)、大判平板、割栗石、砂利敷き・防草シート
照明・水道・植栽工事:LIXIL 美彩 スパイクスポットライト、タカショー ウォーターライト、立水栓・ガーデンパン(onlyone)、アオダモ、イロハモミジ、ソヨゴ
先行工事:隣地ブロック塀の控え壁補強(C150/9段/4箇所)
価格帯(目安) 340万円〜400万円
工期(目安) 約2ヶ月(ほかに先行工事2日間)
相談から完工までの特徴 隣地ブロック塀の控え壁補強を本体工事から切り離して解体と基礎工事のあいだに先行させ、建築確認申請と景観届出まで一体で進めた新築外構です。
担当プランナーコメント 入れられる時期が一度しかない工事は、先に切り出すに限ります。控え壁、申請、配管の経路。この3つを着工前に片づけられたおかげで、駐輪の幅も階段のかたちも、あとから削らずに済みました。

外構は、できあがった景色だけでできてはいません。入れる『順番』を先に決め、削れない『幅』を守る。その段取りからご一緒できることが、地域で工事を重ねてきた会社の役目だと考えています。