東松山市|壁に屋根を掛けて、建物脇の細い余白を自転車と物置の置き場に
建物の壁に屋根を掛け、残った細い帯を自転車と物置の『軒下』に整えました

埼玉県東松山市の三階建て。車は一階に組み込まれたビルトインガレージへ納まり、屋外に残るのは建物と道路のあいだの細い帯だけでした。
そこで選んだのが、地面に構造を建て増すのではなく、屋根だけを足すという考え方です。本体を外壁に取り付け、柱は道路側へ。建物の『軒下』を外へ延ばすように、自転車と二輪の居場所をつくっています。
ご相談の背景
はじめにあったのは、屋外の余白の細さでした。ガレージは車一台でほぼ埋まり、そこへ自転車を入れると、乗り降りの幅が残りません。屋外に置けば置いたで、雨ざらしになります。
もうひとつが、地面の条件です。北と東の隣地は敷地より六百から千三百ミリ高く、道路側は逆に三百五十ミリほど下がります。高さのそろわない細長い帯に、独立した柱を何本も立てる形は現実的ではありませんでした。
建物側にも事情があります。三階建てにルーフバルコニーを二か所持つ計画で、壁面には窓と縦樋が規則正しく並びます。屋根を掛ける位置は、この並びを避けながら決める必要がありました。
事前の現地調査では、会所桝の深さと排水管の芯高まで実測しています。細い帯に構造物を据えるときは、足元の下に何が通っているかで置ける位置が変わるためです。
ご要望
いただいたご要望は、大きく三つに整理できます。
ひとつ目は、自転車と二輪を雨から守ること。ガレージの中は車で埋まるため、屋外に屋根のある置き場所が要ります。カバーを掛けたまま出し入れできる高さも条件でした。
ふたつ目は、外に出しっぱなしになる道具をしまうこと。掃除道具やタイヤ、季節物の受け皿として、扉を開けた前に人が立てる物置をご希望でした。
三つ目が、通行の幅を削らないこと。建物脇は玄関へ向かう唯一の動線で、ここが狭くなると日々の出入りに響きます。屋根も物置も、通り道を残した納まりが前提になりました。
ご提案のポイント

サイクルポートは、LIXILのスピーネを台形納まりで。屋根の一辺を建物躯体に取り付け、柱は道路側にだけ立てています。壁が受けてくれるぶん、地面に建てる柱は最小限で済みました。
奥行きの取り方には、門型フレーム120角のL5000とC型チャンネルを使っています。既製の寸法のままでは納まらない部分をフレームで受け、屋根の水平を細い帯の上に通しました。端部はキャップで仕舞い、切り口が見えないようにしています。
雨樋は道路側へ。屋根に落ちた雨が通路側へ垂れないよう、水の行き先を先に決めてから柱の位置を確定しました。壁との取り合いはシーリングで押さえ、外壁の目地と縦樋の位置を避けています。
物置は、ヨドコウのエスモ ESF-1807G。色はティントホワイトを選び、建物の張り出しの下に納めました。当初はひとまわり小さい型で検討していましたが、しまうものを数え直したうえで最終的にサイズを上げています。
据付は基礎ブロック六個の上に。地面の下がりを基礎で吸って天端を水平に出し、転倒防止金具で建物側へ留めています。三方を壁と軒に囲まれた位置なので、正面の一面だけが表に出る佇まいです。
完成した外構の見どころ

見どころは、屋根の高さと水平のラインです。壁付けにしたことで屋根の骨組みが薄く見え、細い帯の上に一本の線が通ります。柱が道路側に寄っているぶん、建物寄りの足元は抜けたままです。
物置は、白に近いティントホワイト。建物の外壁と近い色で、軒の影の中に沈みます。存在を消すというより、影の側へ回して主張を弱めた色の選び方です。
足元に目を落とすと、柱の基礎は帯の幅に対して控えめです。地面に据える点数が少ないほど、掃き掃除も自転車の切り返しも楽になります。細長い場所ほど、床に置くものの数が効いてきます。
暮らしの変化
いちばん変わったのは、二輪の置き場所が決まったことでしょう。屋根の下にカバーごと納まるので、雨のたびに場所を探す必要がありません。屋根は、玄関までの数歩ぶんの雨も防いでくれます。
雨の日の動きも変わります。屋根の端を道路側へ寄せたので、自転車を降りてから建物へ入るまで、濡れる区間がほとんど残りません。
物置が軒下に収まったことで、屋外に置いていた道具の行き先も定まりました。扉の前には人が立てる幅が残り、通路としての役目もそのままです。細い帯を、通るための場所と置くための場所に分け直した格好になります。
東松山市で、狭い敷地の自転車置き場をご検討中の方へ
置き場所は、広さよりも納まりで決まります。建物の壁を使えるなら、地面に建てる柱は減らせます。まず測るのは面積ではなく、通行に要る幅と、屋根を掛けられる壁の長さです。
地域全体で多いご相談や他の事例は、東松山市の外構工事ページでご覧いただけます。他の敷地条件での納まりを見たい方は、施工事例一覧もあわせてどうぞ。
施工概要
| 施工エリア | 埼玉県東松山市 |
|---|---|
| 施工内容 | 自転車置場工事:サイクルポート(LIXIL スピーネ 台形納まり/建物躯体付・柱道路側)、雨樋、門型フレーム120角 L5000、C型チャンネル、端部キャップ、基礎石、壁面シーリング 物置工事:物置(ヨドコウ エスモ ESF-1807G/ティントホワイト)、基礎ブロック6個、転倒防止金具取付 |
| 価格帯(目安) | 30万円〜50万円 |
| 工期(目安) | 約1週間〜2週間 |
| 相談から完工までの特徴 | 屋根の一辺を建物躯体に取り付け、柱を道路側へ振ることで、建物脇の細い帯を自転車と物置の置き場に変えた事例です。 |
| 担当プランナーコメント | 置き場所は、広さより納まりで決まります。壁を使えるかどうかで、地面に立てる柱の数は変わります。 |
東松山市で自転車置き場や物置の置き場所にお悩みの方は、地域ページや他の事例もあわせてご覧ください。敷地の幅と動線をうかがい、寸法から詰めていきます。