和光市|門袖壁を二枚に分け、食い違いに据えて片流れの屋根と高低差をつないだ外構
門袖壁を二枚に分け、『食い違い』に据えて片流れの屋根と高低差をつなぎました

埼玉県和光市の新築住宅。詰めれば六台は停まる広さで、面積がそのまま金額の重さになる敷地でした。広いほど、どこに芯を置くかで全体の印象が決まります。
そこで選んだのが、門袖壁を一枚の面にせず、二枚に分けて前後にずらす組み立てでした。正面から見ると壁と壁が『食い違い』に噛んで見えます。意匠の操作に見えて、じつは強度の操作でもあります。
ご相談の背景
はじめにあったのが、広さでした。間口も奥行きもゆとりがあり、全面を同じようにつくると費用が際限なく伸びる敷地です。ご相談の時点で、そこがいちばんの気掛かりでした。
もうひとつが、建物との関係です。片流れの大きな屋根と、濃いグレーのフラットな外壁。玄関ポーチが数段上がり、道路から玄関までに高さの差がありました。
ポストは、建物側の外壁に埋め込む形で先に決まっていました。門柱に付けると取りに行くまでが遠く、雨ざらしにもなるためです。外構側に残ったのは、表札とインターホンだけでした。
ご要望
いただいたご要望は三つです。
ひとつめが、車まわり。二台をきちんと停められて、将来は三台まで見込みたいというお話でした。
ふたつめが、隣地側の境界です。既存は三段のブロックだけで、その上にフェンスを立てたいというご希望がありました。
みっつめが、庭の扱いです。人工芝はご自身たちで敷きたいので下地までを、というはっきりした線引きをいただきました。外構の仕事は「芝が敷ける状態の手前まで」と最初に定めています。
ご提案のポイント

門袖壁は、高さを建物側のポストに合わせて上げました。機能として外壁に入れたポストと、意匠としての門まわり。その二つの間にできるギャップを、高さを揃えることで埋めています。
そのうえで、壁を二枚に分けました。前の一枚と、後ろの一枚。『食い違い』に据えると、片流れの屋根が落ちる方向と、敷地が下がる方向が一本の線でつながります。噛み合う部分ができるぶん、壁そのものも強くなります。
タイルは表に五平方メートルだけ。壁を建物側に寄せているので、背面は視線に入りません。見えない面に素材を掛けない判断です。
門袖の足元には、コンクリートの段を一段だけ浮かせて納めました。側面にはラインライトを一本。全部を光らせると華やかになりすぎるので、あえて一段に絞っています。スポットライトは表札ではなく、もみじと壁の面へ。葉の影が壁に落ちる夜になります。
アプローチは、まっすぐにしていません。刷毛引きの土間を飛び石のように割り、目地は百ミリ。歩ける線を通しながら、少しだけ回り道が生まれる形にしています。
駐車の土間は四十四・三平方メートル、間口五メートル。伸縮目地は畳割りのように馬張りで通しました。角は直角にせず斜めに落としています。切り返しでタイヤが乗り上げたとき、角で傷まないようにするためです。
下地の砕石は新品を百ミリ。再生砕石は不純物が混じって締まりにくいためです。
完成した外構の見どころ

見どころは、土留めの考え方です。現地を確かめたところ、既存のブロック塀は基礎が地面の上に出ていました。そこで規格を上げ、擁壁にも使われる型枠ブロックに切り替えています。空洞にコンクリートを充てんして強度を出すものです。
庭へ上がる階段は、蹴上二十センチの四段。有効幅は九十センチです。毎日上り下りする場所ではないので、段数を増やすより一段を大きくする方を選びました。
建物の周囲には、六号の白砕石を五十ミリで五十・五平方メートル。防草シートを敷いた上に回しています。雨だれの落ちる位置と歩く位置が、同じ帯で兼ねられます。
境界には、黒いメッシュのフェンスを十・九メートル。既存ブロックの上に立て、抜けを保ったまま線を引きました。
暮らしの変化
朝、車に乗るまでの動きが短くなりました。ポストは玄関の壁、表札とインターホンは門袖。役割が分かれ、迷う場所がありません。
門袖の面は、時間で表情が変わります。昼は石目の凹凸が光を拾い、夜はラインライトが一段の影を細く引く。同じ壁が二度、違って見えてくれます。
庭は、人工芝の下地までが整った状態でお引き渡ししました。ここから先はご家族の手で仕上がります。線をどこで引くかを先に決めておくと、任せる側も引き受ける側も動きやすくなります。
和光市で、広い敷地の新築外構をご検討中の方へ
敷地が広いほど、全面を均一に仕上げる必要はありません。芯になる一箇所を決め、そこに素材と手間を寄せる。残りは面として通す。配分を先に決めておくと、広さは負担ではなく余白になります。
地域全体で多いご相談や他の事例は、和光市の外構工事ページでご覧いただけます。別の敷地条件での組み立てを見たい方は、施工事例一覧もあわせてどうぞ。
施工概要
| 施工エリア | 埼玉県和光市 |
|---|---|
| 施工内容 | 門袖・アプローチ工事:門袖壁(重量ブロック八段の下地/タイル リビエラ ペトラ600角 サビア 5.0㎡)、表札・インターホン取り付け(美濃クラフト AC-6-HBK)、フローティング階段、アプローチ土間コンクリート刷毛引き 5.0㎡(飛び石状)、玄関階段タイル(豊泉 NGF-17 1.6㎡) カースペース工事:土間コンクリート刷毛引き 44.3㎡(間口5.0m/伸縮目地 馬張り10.8m) 土留め・境界工事:東洋工業 TY型枠ブロックプレーン150 11.2m(3〜4段)、重量ブロックC150 18.6m(4〜5段)、LIXIL ハイグリッドフェンスUF8型 T-6 ブラック 10.9m 庭・建物廻り工事:人工芝下地(再生砂+ザバーン136G)55.7㎡、庭階段(4段・蹴上20cm)、6号白砕石50mm+ザバーン240G 50.5㎡ 照明・水道・植栽工事:LIXIL 美彩 スポットライト SSP-G2型45°・ラインライト SLE-L200、ガーデンパン(オンリーワンクラブ スプリット タイプC)、イロハモミジ H1.5、割栗石、化粧砂利(メイクランド ファイングラベル 墨色) |
| 価格帯(目安) | 450万円〜500万円 |
| 工期(目安) | 約6週間〜7週間 |
| 相談から完工までの特徴 | 広さがそのまま金額の重さになる敷地で、門袖壁を二枚に分けて食い違いに据え、そこへ素材と手間を寄せた新築外構の事例です。 |
| 担当プランナーコメント | 広い敷地は、均一に仕上げようとするほど芯がぼやけます。壁を二枚に割って噛ませたのは、見え方のためであり、強さのためでもあります。 |