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ブロック塀は誰のもの?リフォームや新設時に確認しておきたいこと

隣家との境界線に設置してある「ブロック塀」。所有権が誰にあるかをご存知ですか?なにも知らないまま撤去やリフォーム、新設をしてしまうと、後からトラブルになってしまうことがあるので注意が必要です。

今回はブロック塀の所有権の調べ方や、撤去やリフォーム、新設時に確認しておきたいポイントについてお伝えします。

ブロック塀の所有権はどこにあるのか

ブロック塀の撤去やリフォームをしたいときには、必ずブロック塀の所有権が誰にあるのかを確認してください。ここではブロック塀の所有権の調べ方について、解説します。

基本的にはブロック塀を作った人が所有者

ブロック塀の所有者は、基本的には「塀を設置した人」です。

新しい住宅地でブロック塀が設置してある場合、先に家を建てた隣人が塀を設置していることがほとんど。その場合は塀を設置した人が所有者となるので、隣人がブロック塀の所有者です。

しかし、土地購入の時点で既存のブロック塀があるときや、中古住宅の場合には前の住人と隣人が双方で資金を出し合ってブロック塀を設置しているケースがあります。その場合、塀は自分と隣人の共有財産となります。

土地や家屋の売買契約や権利の移行によって、ブロック塀の所有権も自分へと引き継がれるからです。

ブロック塀の設置位置からも確認することができる

ブロック塀の所有者が誰かわからないときは、原則として「塀が設置してある敷地に住んでいる人」が所有者です。ただし、隣地境界線が確定されていない場合には測量を行い、境界線を確定させてからの判断となります。

境界線の確定後、建築当時の図面や注文書きなどを参考にし、所有権がどちらにあるのかを総合的に判断します。

ブロック塀の所有者が不明の場合は、相続や売却、建て替えなどを行う際にトラブルに発展することが多いため、新築時にしっかりと取り決めをしておくことが重要です。

次は、ブロック塀を撤去・リフォームするときの注意点をお伝えします。

ブロック塀を撤去・リフォームをしたいときの注意点

ブロック塀の撤去やリフォームによって、隣人とトラブルが発生することは少なくありません。ここでは、所有権が「自分・隣人・共有」にあるときの、それぞれ3つのパターンから注意点を説明します。

所有権が自分にある場合

ブロック塀の所有権が自分にある場合は、撤去やリフォームを自己負担で自由に行うことができます。しかし、所有権が自分にあるからといって、むやみに高いフェンスを設置してはいけません。

背の高いフェンスを設置してしまうと、隣家の日照と眺望を阻むことや圧迫感を与えることがあるからです。フェンスを設置したことによって隣人とトラブルになり、撤去の請求をされたという事例もあります。

2mを超えるフェンスを設置したい場合には、必ず隣人に相談をしてください。

隣人が所有者の場合

塀の所有権が隣人にある場合、原則として撤去や修理を行うことはできません。しかし、塀の劣化やヒビ割れなど「倒壊」の危険性があるときには、撤去や修理の請求を行うことができます。

隣人が要求に応じない場合には最終的に「訴訟」となり、塀倒壊の緊急性が高い場合には「仮処分」の申し立てを行うことも可能です。

共有で所有している場合

共有財産であるブロック塀の撤去や修理を行うときには、民法により双方の同意が必要です。

共有物の管理に関する事項は、前条の場合を除き、各共有者の持分の価格に従い、その過半数で決する。ただし、保存行為は、各共有者がすることができる。

民法第252条より引用

ただし、倒壊の危険性がある場合には上記民法の「保存行為」にあたるため、単独で修理を行うことができます。しかし、民法で認められているのは、あくまでも「保存行為」なので、塀を大幅にリフォームする場合には双方の同意が必要です。

ブロック塀を新設するときの注意点

ここまで、ブロック塀の所有権や撤去・リフォームを行いたいときの注意点についてお伝えしてきました。では、ブロック塀を新設したいときにはどのようなことに気をつけたらいいのでしょうか。

共有と単独のどちらで新設するかを隣人と話し合う

隣家との境界線にブロック塀を設置したいときには、「単独と共同のどちらで新設するのか」を隣人に必ず相談してください。

基本的には、ブロック塀を新設したい側が費用を負担して単独で所有します。しかし、隣人の承諾を得ないまま勝手に新設してしまうと、撤去請求を受けることがあります。

自己負担で自分の敷地内に設置するにしても、まずは隣人に相談をしてからにしましょう。

隣人と共同で新設することになった場合

隣人と共同でブロック塀を設置するときには、所有権が双方にあることを明確にする合意書を必ず作成しておきましょう。正確な合意書があれば、売却や相続時にトラブルを防ぐことができます。

また、共同所有の場合には基本的に塀の中心が敷地境界線に重なるようにして設置するため、土地家屋調査士に依頼して境界線を確定させてから塀を新設してください。

単独でブロック塀を所有する場合

隣人の了承を得て、単独でブロック塀を新設することになったときにも注意しておきたいことがあります。それが、設置場所と塀の高さです。

単独でブロック塀を設置するときには、塀は自分の所有物となるため、必ず自分の敷地内に塀が収まるように設置してください。隣地に越境してしまうと土地所有権侵害にあたり、塀の移設を求められることもあります。

また、塀の高さにも配慮が必要です。前述したように2mを超える塀を設置した場合、隣家の日照や眺望を阻み、圧迫感を与えてしまう可能性があります。背の高いフェンスを設置したいときには、必ず隣人の了承を得てからにしましょう。

ブロック塀のトラブルを回避するためには隣人との話し合いが不可欠

ブロック塀を巡る近隣トラブルは、ひんぱんに起こっています。塀の所有権が不明な場合に起こるトラブルが多いですが、新設やリフォームによってトラブルに発展することも少なくありません。

トラブルを回避するためにも、塀の撤去やリフォーム、新設時には必ず隣人と話し合いをしておきましょう。

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