
和風庭園を自宅に再現したい!日本庭園の特徴と作るポイント
「和風な庭園に憧れる」「日本庭園のような庭にするには何が必要?」
とご自宅の庭を和風庭園のようにしたいと思っている人もいるのではないでしょうか?
和風庭園は、自然の風景を再現したお庭です。さらに仏教の思想からも影響を受けた和風庭園もあります。今回は、歴史や趣が感じられる和風庭園についてまとめました。
ご自宅のお庭を和風庭園にするポイントも紹介しています。和風庭園に憧れるけれど、何が必要なのだろうとお悩みの方は参考にご覧ください。
和風庭園とは?
旅館や料亭のお庭、お寺や神社など、日本庭園を目にする機会は多いですよね。日本庭園をみると、心が落ち着くと思う人も多いでしょう。
日本庭園は、自然を表現しています。山や水の形を、砂や岩を使って表します。そこに、桜や紅葉などの季節を感じられる木々や花を添えることで、季節の移り変わりも楽しめる庭園が特徴的です。
このほかにも、日本庭園は静けさを感じられる点が特徴でしょう。
特に印象的なものは、ししおどしです。ししおどしは静けさの中の水の音を楽しみます。
また、こけや周りに映える下草は、静けさをさらにひきたてます。
砂利や飛び石を踏んだ時に出る音も、空間の静けさをひきたて、庭園を楽しめる要素です。
和風庭園の種類
日本庭園は、3種類あります。
池泉庭園(ちせんていえん)
自然を表現した庭園は「池泉庭園」です。東京にある浜離宮恩賜公園は、池泉庭園の代表的な庭園です。
大きな特徴は池があり、水を取り入れた庭園であることです。
池の周りに築山を作り自然を再現します。
池には橋をかけたり小島を作ることで、庭園を散歩しながら楽しめるような構造になっています。
枯山水(かれさんすい)
池泉庭園が水を使った庭園に対し、枯山水は、水を使わず砂利や岩を使って自然の風景を表現した庭園です。池泉庭園では財政的に厳しくなった際に、枯山水が広まった歴史があります。
京都にある竜安寺の庭園が有名です。
砂利が敷き詰められた箇所は、海や池、川など水の流れを表現しています。
水の流れを表した模様は、「青海波紋」「水紋」などと呼ばれます。砂に描かれた模様をみると、水がないのに水を感じられるのが枯山水の特徴です。
露地(ろじ・茶庭)
門から茶室までの自然を感じる庭を露地と呼びます。
茶室までお客様をもてなす空間です。飛び石や灯籠があり、自然を感じさせる木々があることが特徴的です。
池泉庭園や枯山水のように大きな規模ではく、茶室までの小道や茶室から見える風景を楽しむことができます。
和風庭園の鑑賞方法
和風庭園には鑑賞方法があるのをご存知でしょうか?代表的な2つの鑑賞方法を紹介します。
回遊式(かいゆうしき)
建物内から庭園をみるのではなく、広い庭園内を歩きながら鑑賞する方法です。歩くたびに異なった目線で庭園を楽しめます。
さらに、広い庭園内の四季の変化も感じられる庭園の楽しみ方です。
座観式(ざかんしき・座視鑑賞式)
座観式とは、座って庭園を鑑賞する方法です。回遊式が広い庭園を楽しむための方法とすると、座間式はやや狭い庭園を楽しむ方法です。
建物から写真を切り取ったような、考えられた視点で庭園を鑑賞できることがポイントです。
和風庭園の良いところ
広い庭園が多い池泉庭園や厳かで計算された枯山水は、自宅に取り入れて楽しむことは難しいのでは?と感じる方もいるかもしれません。
しかし、和風庭園には、自宅で取り入れる際の嬉しいポイントもあります。
スペースに柔軟に対応できる
広いイメージもある和風庭園ですが、坪庭と呼ばれる狭いスペースでも再現できる庭園があります。
坪庭は玄関内や階段のホールスペースを活用して作られるケースもあり、庭は狭いけれど自宅内に和風庭園を再現できる点がポイントです。坪庭は、スペースに対して柔軟にデザインできます。
また、庭の一部に設置する灯籠やししおどし和風の水盤などの和風のアイテムは、広いスペースがなくても和風庭園を楽しめるでしょう。
日陰でも楽しめる
美しい木々や花々を色とりどりに楽しむ庭園には、日光が当たるかどうかが大切なポイントです。
しかし、和風庭園では必ずしも日当たりが重要ではありません。
コケなどの和風庭園でよくみる植物は、日陰を好みます。飛び石とこけを使った和風庭園は、よくある組み合わせです。
また、砂利や飛び石を使った枯山水をイメージしたお庭は、植物も少なく日当たりが少なくても安心です。
日陰でも楽しめるデザインや植物を使うことで、日当たりの少ないお庭でも和風庭園を楽しめます。
和風庭園を作るポイント
最後に、和風庭園を作るポイントを紹介します。
和風庭園は、自然を表現している点がポイントです。これから紹介する6つのポイントをチェックしてみてください。
水
水の表現を取り入れると和風庭園の魅力がアップします。
例えば、池や川などの自然を表現した庭園です。お庭に池を作り、睡蓮などの水生植物を添えたり川の流れを再現することで、和と静けさの魅力をプラスします。
池や川を作るスペースがない場合は、ししおどし、和風の水盤などをポイントとして取り入れるこもおすすめです。
枯山水に代表されるように、砂利を使った水の表現方法もあります。川の流れを感じるように門から玄関まで砂利を敷き詰めるデザインもあるでしょう。
このように、水を表現したデザインは和風庭園を感じさせます。
山
自然の表現方法の一つに「築山」があります。お庭の一部を山に見立てて、土をもり岩や石で高くします。
広いお庭では、小高い山がポイントとなりお庭を鑑賞する人の視線を誘導します。
小さなお庭で取り入れる際は、岩などを活用して表現することで、アクセントになるでしょう。
石・砂
石や砂を使って和風庭園を作り上げましょう。
先述したように、水の流れを表現する際にも砂利や砂は使われます。また、植木と小道の境に、岩を取り入れたりすることもあるでしょう。
飛び石を設置して、下草を踏まないように散策できる工夫もできます。
より自然を表現したい場合は、色や形が不揃いな石や砂を使うと、自然の雰囲気が出るでしょう。
スッキリとした印象を出すには、色や形を揃えて配置すると自然の中でも和モダンな雰囲気を感じられる庭園になります。
植物
お庭に使う植物によって、和風庭園の雰囲気に違いが出てきます。松などの緑の多い木を使ったり、紅葉など季節によって変化する木々を植えたりします。
また、人の足もと、腰くらいまでの高さの木々を取り入れることも和風庭園のポイントです。
ツツジなどが丸く整えられているのをみたことがあるのではないでしょうか?
自然を表現する和風庭園ですが、自然の佇まいと人の手が加わった植物が交わることで、独特の雰囲気を作り出します。
さらに、こけなどの植物も活用することがおすすめです。
アイテム
灯籠やししおどしなどのアイテムを取り入れることで、和風の雰囲気がひきたちます。
灯籠の他には、橋や手水鉢など石でできたアイテムをお庭に取り入れることで和の雰囲気が出るでしょう。
ししおどしを使って水の音を楽しみながら、和風庭園ならではの静けさの中で時間を過ごすこともできます。
フェンスの素材
和風庭園に設置するフェンスは、竹材を使用することで、全体的な和のイメージを統一します。
竹材でできたフェンスの種類もいくつかあり、目的によって選ぶことがおすすめです。
目隠し効果を高くする際は、隙間がほとんどない竹材がおすすめの一方で、風通しや日当たりの心配もあるでしょう。
格子状に竹材を組んだフェンスは、目隠し効果は少ない一方で、日当たりや風通しがよく植物の生育の心配が少なくなります。
和風庭園には、竹材のフェンスを使うことで、お庭全体に統一感が出るでしょう。
フェンスの高さやデザインは目的やデメリットを踏まえた上で選ぶのがおすすめです。
まとめ
独特の和の雰囲気を感じられる和風庭園は、静けさや趣が感じられます。
自宅で心が落ち着く和風庭園を作りたいと憧れる人もいるのではないでしょうか?
和風庭園は、自然をモチーフとしています。水や山、岩や砂を組み合わせ自然を表現することで和風庭園に近づくでしょう。
灯籠やししおどしなどのアイテムをポイントとして活用することで、手軽に和風の雰囲気を感じることも可能です。
狭いスペースでも、和風庭園は作れます。ぜひ、お庭の規模で諦めず、可能なスペースで和風庭園を作りあげてみてくださいね。
外構・建築関連の会社で15年の勤務後に独立、埼玉外構を設立。お客様に喜んで頂けるよう、リーズナブルなエクステリアプランをご提案しています。